gloomyfioreのブログ

フィクションです

なぞる

 

 

ふと本が読みたくなるのはいつも、毎日が行方不明になったときだった。私にとって本を読むということは、ただの現実逃避だ。他人の景色など奪えやしないのに、他人の物語をなぞり続ける。一気に何冊も読む。大量に物語を脳内に運ぶ。正直本を読んで後、明るい気持ちになったことはない。

 

それでも本の中の言葉をなんどでもなぞるのは、自分にとって心地よい響きをもたらしてくれるからだ。都合のいい言葉に縋ってなにが悪い。理不尽な衝動の言い訳を探すように、本を読む。どうしていつも迷子になってしまうのだろう。

 

夜が長くなって秋、10月になった。私は明日18歳になるらしい